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土佐食彩物語

商品提案物語「商品開発と販路拡大のアプローチ」[(有)福辰]

眞鍋専務

(有)福辰は、土佐の味として有名な鰹節の販売からスタート。鰹の塩辛「酒盗」を開発し、今では福辰の酒盗といえば高知の酒の肴の代表的なものとして県外から観光に訪れた人に人気のあるブランドです。福辰の眞鍋専務にお話を聞きました。
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高知ならではの素材にこだわる

かつお

 食品加工している私の目から見ても、高知県には本当に美味しい素材が沢山あります。有名なところであげると、ゆず、文旦、生姜、トマト・卵・室戸海洋深層水…。(その他にも表には出ていない隠れた素材もまだまだあります。)そして福辰が主に扱う「鰹(かつお)」。鰹(かつお)の一本釣りといえば土佐(高知)と言われるほど有名ではないでしょうか。土佐沖で獲れる鰹(かつお)は脂がほどよくのっていて、加工した土佐の枯本節が江戸時代の頃より名声を博しています。高知ならではの「鰹(かつお)」を加工製造し、その味付けの素材として魅力ある高知の食材は見のがしません。
これらの素材は、生節や佃煮そして酒盗等で、鰹(かつお)の旨味を見事に引き立てくれます。
鰹生節[ゆず味・生姜味]ゆず鰹[鰹のゆず煮]極上鰹之塩辛(ゆず風味)季節限定商品10月~2月など】
 例えば「ゆず」は、高知県安芸市畑山土佐ジローの小松さんからいただいたものを使用しています。実生のゆずは香りがよく鰹(かつお)と組み合わせることで、さわやかでなおかつ味に深みが出てよりいっそう食欲をそそります。また、全て無農薬の実生のゆずを使用し安全面にも配慮しています。
独自のゆず加工製品もあります。
室戸海洋深層水ちりぽん酢[ゆず入]柚う妃[ゆずドリンク]など】
 現在は、ゆず、生姜などを鰹製品で組み合わせていますが、今後もさらに高知県の厳選した素材とコラボレーションし広げていきたいと思っています。

新たな切り口で商品提案

 福辰の主力は「酒盗(しゅとう)」といわれる商品です。酒盗(しゅとう)とは、鰹の塩辛で、その名の通り、「功名が辻」でもおなじみの初代土佐藩主 山内一豊公から数えて第12代目の山内豊資(とよすけ)公が清水(現在の土佐清水市)の宿にて、鰹の塩辛を肴に酒を飲み「これはよい、これだと酒がいくらでもいける。酒を盗みおったワイ。今よりこれを酒盗(しゅとう)と名付けたがよかろう。」と、この土佐珍味を酒盗(しゅとう)を名付けたといわれています。(200年ほど前の話です。)この塩辛は、鰹(かつお)の内臓を洗浄し塩漬けしたものですが、鰹一匹から30グラムほどしか取れない貴重な材料を使用しています。その、内臓を十月十日という長い期間丹精込めて熟成させ独自のたれで調味します。(人間の出産と同じ期間タンクの中で育ち誕生します。)
 商品のラインナップは定番のシリーズとして、すべてのベースになっている「酒盗辛口」、女性や子供でも食べていただけるようにと開発した「酒盗甘口」、鰹(かつお)の胃(ジキ)だけを使用したご飯に合う「飯盗」(はんとう)があります。
 しかし、このシリーズは、購入していただく方の年齢層が比較的高いことがわかり、若いかたにも食べやすく作り上げたのが、希少な鰹(かつお)の胃(ジキ)を塩分控えめに熟成させた高級指向の期間限定「極上鰹之塩辛」です。(この商品は10月中旬より2月までの販売となっており、畑山の無農薬実生のゆずを加えてさっぱりとした風味になっており、幅広く皆様に召し上がっていただいております。)また、鰹の塩辛はどうも…という方に、新鮮ないかの塩辛と鰹の胃(ジキ)の塩辛をミックスして仕上げた「いか酒盗」・「いか酒盗(米糀入)」もあります。

 今まで、酒盗(しゅとう)は、若い人へのアピールが不足していたこともあり、若者をターゲットとした売り方・商品開発を模索しています。まず、酒盗(しゅとう)を実用的にそして簡単に美味しく使ってもらうためにはどうすればよいのか考えてみました。

クリームチーズ&クラッカーのトッピング

クリームチーズ&クラッカーのトッピング

 その一つが、若いかたの趣向に合わせた「簡単レシピの提案」です。
酒盗をご利用いただいたお客さまからの声を聞いて参考にしています。
 ■アンチョビのかわりに…
 ■クリームチーズ&クラッカーのトッピングに…
 ■炒め物などチャーハンの隠し味として…
 ■お茶漬けに…
 ■おむすびの具に…
 ■蒸かしたじゃがいもに酒盗とバターをのせて…
 ■冷や奴・湯豆腐にのせて…
 ■レモンの輪切りに、うずらの黄身、さらしネギ…
 ■イカを輪切りにしてあえる…
 ■梅干しを食べやすくほぐしてあえる…
 ■季節の料理を千切りにしてあえる…
上記は一例で、酒の肴としてそのまま食していただいても構いませんし、使い方によってレシピはまだまだ広がって行きます。調味料やトッピングなどとして簡単で手軽に利用いただける方法を提案することで購入年齢層の幅が広がり若いかたへのアプローチも行えると考えています。

ワインとセット販売の酒盗

ワインとセット販売の酒盗

そしてもう一つが、新しい市場へ提案「酒盗に合うワインとセットで販売」です。
 酒盗(しゅとう)=日本酒というイメージがある方もいるかもしれません。日本の食べ物だから日本酒が一番あうと考えがちですが、西洋のお酒ワインもまた違った感覚で楽しめます。ワインとの組み合わせは意外かもしれませんが、ワインの口に広がる甘味、酸味、渋味が酒盗(しゅとう)の味とマッチしています。ワインには赤と白がありますが、酒盗(しゅとう)は白がより美味しくいただけるようです。(日本を代表するソムリエの本にも当社の商品は紹介されています)
ワインと並べても違和感がないよう、モダンなスリムパッケージにしています。より若い人の興味が向けらるようにもなるのではないでしょうか。幅広い年齢層で支持されている西洋のお酒ワインの「おつまみ」という新しい市場で酒盗(しゅとう)が受け入れられればと考えています。

今後の展開

写真

 今後はお客さんの声や消費者の方からアイデアをいただきながら、若者向けの酒盗や、現在のニーズに合ったヘルシーな酒盗等の開発、地域のかくれた食材による商品の開発により、高知県をアピールできる新しい珍味を作りたいと思います。そして高知にはおいしいものがたくさんあるのにアピールの仕方が弱いので、若い人に向けてのレシピなどの提案をして、新しい市場の拡大に努力していきたいです。

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