今回お話を伺ったのは株式会社ケービーケーフーズの竹村裕二さんです。株式会社ケービーケーフーズは高知県の高岡郡中土佐町久礼という所にある久礼川沿いにあります。高知市からは西へ車で1時間ほどです。会社では、山菜やふきなどの加工食品や、一風変わって大きな「どら焼き」を作っています。時代によって消費者の求める製品の変化にあわせて、消費者に求められる製品づくりにこだわり、激しい時代の変化に対応してきたお話を伺いました。
こだわりの国産原料
KBKフーズは、もとは高知物産缶詰工場といって、高知物産を取扱った製品をつくっていました。その内、時代は大量生産や価格の安い物への需要が高まってきまして、それまで当社では国産原料をもとに製品化していた会社だったのですが、その当時は「これからは中国産の時代がやってくる!」と判断しました。会社の指針を変える決意は一方ならぬものがありましたが、それ以降は中国産原料に特化した製品づくりへと移行していきました。結果は時代に順応するかのごとく売上はのびていきました。
しかし順調に販売している折、会社の威信にも関わる問題がありました。皆さんの記憶にも新しいとおもいますが、3年ほど前の「中国産ぎょうざ問題」です。消費者は、安心で安全な食品を求める思考が特に強くなりました。それは総じて良いことではありますが、単に中国産原料を使用している製品だというだけで、衛生上格別に問題がない製品であっても、その売り上は激減しました。下手すると「中国」という単語がついているだけで、中国産とは無関係であってもその製品が売れなかったり、その会社との取引がされないというほどでした。とにかく消費者から中国産はダメだという烙印を押されたかのように中国産の原料を使用した製品はあっという間に商品が売れなくなりました。当然、当社の製品も同じあおりを受けました。私たちの製品に直接衛生的な問題が発生したわけではありませんでしたが、消費者のニーズに合わない物となったのです。
しかし順調に販売している折、会社の威信にも関わる問題がありました。皆さんの記憶にも新しいとおもいますが、3年ほど前の「中国産ぎょうざ問題」です。消費者は、安心で安全な食品を求める思考が特に強くなりました。それは総じて良いことではありますが、単に中国産原料を使用している製品だというだけで、衛生上格別に問題がない製品であっても、その売り上は激減しました。下手すると「中国」という単語がついているだけで、中国産とは無関係であってもその製品が売れなかったり、その会社との取引がされないというほどでした。とにかく消費者から中国産はダメだという烙印を押されたかのように中国産の原料を使用した製品はあっという間に商品が売れなくなりました。当然、当社の製品も同じあおりを受けました。私たちの製品に直接衛生的な問題が発生したわけではありませんでしたが、消費者のニーズに合わない物となったのです。
ここで、私たちはまた会社の指針を、国産を主流とした製品づくりへ移行するべきかどうかという問題にあたりました。会社を存続させるためにはそれが必然的なことではありましたが、私たちにとってはそれまでの経緯から、過去に戻るという感覚があったので正直は葛藤しましたが、どちらにしても会社を辞めるわけにもいかず、またこのままでもいけない!ということで「国産に切り替えよう!」と意を決して2度目のチェンジに取り組むことにしました。そうして私たちは3年ほど前から95%以上を国産の原料に切り替えていきました。
これからは、伸びるだけだ!
『大どら焼き』
当社が、中国産の製品が売れなくなってきたころ、関西の方ではたくさんの会社が製造していて、それでもよく売れているという『大どら焼き』の話をいただきました。それは、関西地域で製造して四国へ運んで販売するより、高知で製造してくれる会社はないものかな?!というものでした。当社としても願ったりかなったりで、調度、売れるものが減少してきつつあった私たちの工場で、ぜひとも製造させて頂きたいと願い出まして、このレシピやパッケージをそのまま教えていただき、製造・販売することになったのです。
このどら焼きは、国産100%の小麦粉を使用しています。消費者の皆さまには大きさも驚かれますが、国産の小麦粉を使用しているということもあってかとても好評で、また美味しいと言って人気をいただいております。
このどら焼きは、国産100%の小麦粉を使用しています。消費者の皆さまには大きさも驚かれますが、国産の小麦粉を使用しているということもあってかとても好評で、また美味しいと言って人気をいただいております。
こだわりの製品「フキの水煮」。原料を確保する環境づくり
さて、私たちの経営理念は、「常に独創性と向上心を持ち(食の安全・安心)を追求しより良い商品を適正価格で提供し続ける事」というものを掲げております。
国産の原料に切り替えてから、原料が旬の時に大量に仕入れておいて徐々に製品にしているのですが、原料が足らず、しだいに底をついてしまいます。国産の原料は供給量が不足しがちで製品を作り続けることが難しいという実状があります。しかも中国産に比べると、国産の原料はもちろん高価になってきます。そうなると販売の際、お客様の求める適正な価格で提供したいと考えているため、私どもの経営理念に合いません。こういったことでお客様の求める適正な価格を追求するため、常に原料を確保できる環境づくりに取り組みました。この課題をクリアにするため、製品をつくるだけではなく「原料もつくっていかなければいけない!」ということになりました。そこで地域の農家とも提携して、この原料づくりに特に力をいれている所なのです。取り組みとしては、自社で田畑や山を借り入れて、フキの栽培やよい筍がたくさん採れるよう山の管理をしたりというような事を手掛けています。こうでもしないと私たちの製品は出来ないと言っても過言ではありません。
国産の原料に切り替えてから、原料が旬の時に大量に仕入れておいて徐々に製品にしているのですが、原料が足らず、しだいに底をついてしまいます。国産の原料は供給量が不足しがちで製品を作り続けることが難しいという実状があります。しかも中国産に比べると、国産の原料はもちろん高価になってきます。そうなると販売の際、お客様の求める適正な価格で提供したいと考えているため、私どもの経営理念に合いません。こういったことでお客様の求める適正な価格を追求するため、常に原料を確保できる環境づくりに取り組みました。この課題をクリアにするため、製品をつくるだけではなく「原料もつくっていかなければいけない!」ということになりました。そこで地域の農家とも提携して、この原料づくりに特に力をいれている所なのです。取り組みとしては、自社で田畑や山を借り入れて、フキの栽培やよい筍がたくさん採れるよう山の管理をしたりというような事を手掛けています。こうでもしないと私たちの製品は出来ないと言っても過言ではありません。
フキの栽培は、高知県内にある葉山という地域が盛んでしたが、そこが栽培を止めてしまうという時に、なんとかフキ栽培を絶やさないようにと、その栽培方法を私たちの会社のあるこの久礼へ持ち戻り、自社で借りた畑で栽培を始めました。そしてフキがすくすくと成長し始めると、地元では珍しがって、地元の農家の人たちが見にきてくれました。そしてこれは当社の製品となるフキであることなど説明すると、共感し興味をもった農家の方が栽培をしてくださるということになりました。今では6軒の農家と契約して栽培方法を伝え、生産量の100%を納品していただいております。
農作物なので、生産量は年によってバラつきが出てきます。その6軒の生産量を合わせても原料が足らない年もありますので、それを補うよう今年からは自社でも栽培を始めました。栽培に関しては自社で技術を持っています。それを農家の方へ伝えて栽培をして頂いております。それから納品時期についても出来るだけ収穫直後の新鮮な内に製品化したほうが良い製品ができますので、地元の農家の方にはご理解をいただき、収穫時期をずらしてもらうなど細やかなお願いを受けて頂いております。
以前は収穫時期が重なり倉庫に寝かすなど困ることもあったが、良い製品づくりのために刈り取って冷蔵庫にいれておくより、収穫せずに畑に置いておく方が鮮度が落ちなくて良い状態で維持できるため農家の方にも納得して対応して頂いております。
農作物なので、生産量は年によってバラつきが出てきます。その6軒の生産量を合わせても原料が足らない年もありますので、それを補うよう今年からは自社でも栽培を始めました。栽培に関しては自社で技術を持っています。それを農家の方へ伝えて栽培をして頂いております。それから納品時期についても出来るだけ収穫直後の新鮮な内に製品化したほうが良い製品ができますので、地元の農家の方にはご理解をいただき、収穫時期をずらしてもらうなど細やかなお願いを受けて頂いております。
以前は収穫時期が重なり倉庫に寝かすなど困ることもあったが、良い製品づくりのために刈り取って冷蔵庫にいれておくより、収穫せずに畑に置いておく方が鮮度が落ちなくて良い状態で維持できるため農家の方にも納得して対応して頂いております。
こだわりのフキ。無着色に成功!
当社でつくっている『フキの水煮』には特に2つのこだわりがあります。一つは、上段でも説明したように原料であるフキは、当社の契約栽培による100%高知県産という事です。そしてもう一つは、無着色であるということです。これはフキ本来の鮮やかなグリーン色が当社独自の製法により色落ちすることなく皆様の食卓へお届けすることができるようになりました。通常、フキの色は、皮をはいで水煮に加工する過程でどうしても色が抜けてしまうことは避けられなかったことでした。また抜けた色を補うため、これまでは着色料を使用して見た目をグリーン色に戻していたのですが、家庭で調理する際、他の食品もグリーン色に染まってしまうなど不都合なこともありました。そこで無着色のフキを販売しておりましたが、なんとかこの鮮やかな色を残せないものかと研究し、当社では無着色でありながらグリーン色を保ったまま製品化することに成功しました。そしてもちろん塩蔵処理などせずに、フレッシュな生の原料を仕入れて製品にしております。是非ともこの鮮やかで食物繊維もたっぷりのフキの水煮を利用して、食卓にもう一品くわえてみませんか。
もったいないエコな製品。
私たちの製品づくりは、先ほども申しましたように小回りの利く会社です。最近はエコロジー的な思考もたかまってきて、いろいろな使える材料が廃棄される点を見直し、もったいないことを防ぎたいと思う人も増えてきました。そして私どもの会社へ依頼がありました。高知県で高い生産量の生姜についてです。出荷する際にサイズをはかり、その規定に合わないものは『ハネ』といって撥ねられてしまいます。しかし、形はイマイチであったとしても同じ生姜として味が劣るわけでもなく、廃棄するにはおしい物です。そこで、それを乾燥粉末化して「しょうが湯」や「しょうがスープ」等の製品へと加工することになりました。本来なら捨てられてしまう原料ですが、その製品するには十分な代物です。このように他にもエコを意識した考えから出来た製品づくりを行っております。
地域と一体となって
当社の取り組みは、経営理念にもとづき、「常に独創性と向上心を持ち(食の安全・安心)を追求しより良い商品を適正価格で提供し続ける事」をこれからも目指していきます。そして、私たちだけでなく地域への貢献とまた地域と一体となって環境づくりや、ますます美味しい物づくりができていけたらいいなと思っています。
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現在では、作れば作るだけ売れているという状況ですので、苦労も多々ありましたが、これからは伸びるだけだ!というイメージでより良い製品づくりに努めております。また当社は規模が大掛かりではないので小回りがきくため、消費者のニーズに合わせて、どんどんと対応していこうという思いでやっておりますので、ご要望などございましたら一度お問い合わせください。