今回お話をしてくださったのは、有限会社 岡村蒲鉾 代表取締役の岡村昭さんです。有限会社 岡村蒲鉾は、創業は昭和17年。高知市の御畳瀬(みませ)漁港のほど近くにあります。岡村さんは、こちらの3代目として、先代まで作り上げてきた味をまもり、またその思考を受け継ぎ、地元の食生活に溶け込めるような製品づくりをしているお話をしてくださいました。そしてこれらからは、そんな思いでつくった自社製品をもっとアピールしていかなくてならいないと感じているようです。
かまぼこ屋の心髄
平成21年2月24日~26日に、第61回全国蒲鉾品評会の審査会がありました。この品評会に当社も自社製品である『焼大板「桂浜」』を出品しました。全部で464点の出品作品がある中、なんと当社の『焼大板「桂浜」』が最高得点をとり、最高位である農林水産大臣賞を受賞するという栄誉に輝くことができました。
様々な工夫をこらした製品がある中で、蒲鉾としてはシンプルなこの「板づけ」とよばれるベーシックな製品で、このような賞を受賞できたという事を何よりうれしく思い感激しました。
様々な工夫をこらした製品がある中で、蒲鉾としてはシンプルなこの「板づけ」とよばれるベーシックな製品で、このような賞を受賞できたという事を何よりうれしく思い感激しました。
農林水産大臣賞受賞『焼大板「桂浜」』とは
この度、農林水産大臣賞を受賞した『焼大板「桂浜」』の紹介をします。地元の御畳瀬(みませ)漁港では伝統漁法である「手繰り(てぐり)漁」が今でも行われており、原料となる蒲鉾に最適な魚たちが水揚げされています。『焼大板「桂浜」』は、そんな御畳瀬(みませ)漁港で水揚げされた魚のタイショウ(「ワキヤハタ」のこと)を原料に、それを贅沢にも100%使用して作り上げた板づけの焼き蒲鉾です。素材の味を大事に、丁寧に練り上げてできた『焼大板「桂浜」』は、食べるとぷりぷりとした歯ごたえが心地よく、噛みしめるほどに魚本来の旨味を楽しむことができます。そんな点が評価されたのではないかと思います。
めざすは、地元生活へ溶け込むような製品づくり
私たちは先代、先々代の頃から、ここ高知の御畳瀬を離れず、かまぼこ屋を営んでまいりました。おかげさまで地元のお客様にご愛顧いただいております。現代では多様な食品が開発され、またその製作技術も進歩しています。成分分析をして「人が美味しいとおもう割合」を追求することもできますし、また、科学調味料などを使って新しい味をつくりあげることもできます。しかし当社では、そのような特別な技法を使った製品づくりをしていません。それは、先代の頃より当社のモットーとして、魚本来の味を活かすことで充分に美味しさは出ると考えているからです。と言うと製法にこだわっているように聞こえるかもしれませんが、ただ当社では特別なことをする訳ではなく、できるだけ必要最小限の物しか加えずに、主原料となる「魚」本来の力(味)をかりているだけなんです。
それから、昔は現代のように流通網が無かったということもあり、お客様は常に地元の人たちでした。それから時代を経てきましたが、その中でただ利益のみを追求して量産を目的に、原料の品質を低下させることは出来ないですし、反対に職人として味などへのこだわりを追求をするばかりに原料を高価にするわけにもいきませんでした。当社では、地元の味を地元の人に食べてもらいたいという思いで、地元の生活に溶け込むような製品づくりをめざしています。そのため日常的に食卓に使ってもらえるよう、価格帯を維持することを考えて製品によって地元でとれる主原料(地魚であるタイショウ、エソ、その他小魚)の含む割合を調整しています。このように当社では地産地消であることは大事なことだと考えています。
美味しさを追求し、成分分析をして「人が美味しいとおもう割合」を実現させるということは、それはそれで利用する人たちの自由だと思います。ただそれがために原料代が上ったり経費がかさんだりすると、それによってできる製品は高級志向的な物になってしまいます。地産外商としてご贈答やお手持品としてなら向いていると思うのですが、地元の方に日常的に食べてもらうことはできなくなります。
美味しさを追求し、成分分析をして「人が美味しいとおもう割合」を実現させるということは、それはそれで利用する人たちの自由だと思います。ただそれがために原料代が上ったり経費がかさんだりすると、それによってできる製品は高級志向的な物になってしまいます。地産外商としてご贈答やお手持品としてなら向いていると思うのですが、地元の方に日常的に食べてもらうことはできなくなります。
工場見学で地域を育てる
当社は先代のころより学校単位などで工場見学の依頼があると、それを受け付けております。おどろく事に近年では、見学に来られる児童は、かまぼこが何で出来ていて、どの様に作られているのか知らない方も少なくありません。その為にと、工場見学時には、お魚から蒲鉾になるまでを詳しく説明しています。また、見学に来られた児童の親御さんで、子どもの頃に当社の工場見学に訪れたことがあるという方もいらっしゃったりして、思わずうれしくなったりした事もあります。
高知のかまぼこ屋さん
高知のかまぼこ屋さんは、全国的にみて特別有名では無いものの、当社以外にもたくさんこのような農林水産大臣賞を受賞しており、それからみても味的にはかなりレベルが高いと自負しております。ぜひ、ここ高知でそんな蒲鉾を味わってみませんか。
これまでと、これからも…
(有)岡村蒲鉾は、地元の味を地元の人に食べてもらいたいという思いで、製品造りに努めてきました。当社にとっては、「こだわり」という強いものではなく、ただ最初からそうであった様に、特別な事をする訳でもなく、いつも通り製品造りに取り組んできただけなんです。蒲鉾造りをする上で地魚を使用することは昔からの当社のやり方で、当社なりに時代にあわせて調整はするものの本質的なことは変わっていません。
かまぼこ屋の扱う物には大きく分けて「蒸し物(すまき・かまぼこ等)」、「焼き物(ちくわ等)」、「揚げ物(てんぷら、さつま揚げなど)」の3つのジャンルがあります。当社では、それぞれに地元で揚がる魚を主原料に使用しています。学校給食にも利用してもらっています。ただ、地元で揚がる魚の量は、漁師の減少もあいまって減少傾向にあり、限度があるので量産することが出来ない場合もありますが、こんなにも高知の蒲鉾は美味しくて、他のそれに負けていないと思っています。今回のようにすばらしい賞もいただけたこともあって、もっともっと高知の蒲鉾を、そして当社の蒲鉾をアピールしていこうと思っています。
かまぼこ屋の扱う物には大きく分けて「蒸し物(すまき・かまぼこ等)」、「焼き物(ちくわ等)」、「揚げ物(てんぷら、さつま揚げなど)」の3つのジャンルがあります。当社では、それぞれに地元で揚がる魚を主原料に使用しています。学校給食にも利用してもらっています。ただ、地元で揚がる魚の量は、漁師の減少もあいまって減少傾向にあり、限度があるので量産することが出来ない場合もありますが、こんなにも高知の蒲鉾は美味しくて、他のそれに負けていないと思っています。今回のようにすばらしい賞もいただけたこともあって、もっともっと高知の蒲鉾を、そして当社の蒲鉾をアピールしていこうと思っています。
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