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ゆずの村物語「馬路村の元気を届けたい!」[馬路村農業協同組合]

菊池史香さん

菊池史香さん

 今回お話をしてくださったのは、馬路村農業協同組合 営農販売課 企画係広報担当 菊池史香さんです。馬路村農業協同組合は、高知県東部の馬路村(うまじむら)という人口1,100人程の小さな山村にあります。その村の特産品は、自然流栽培で育てられた「ゆず(ゆず)」です。もぎたての新鮮なゆずの香りとおいしさにこだわり、「ゆずの村(ポン酢醤油)」や「ごっくん馬路村(はちみつ入りゆずジュース)」といった様々なゆず加工製品を造っています。できた製品は店頭や、ホームページで販売しています。また、商品に関するパンフレットを全国無料で発送しておりますので、お気軽にご要望くださいとのことです。

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馬路村とゆずの歩み

馬路村とゆずの歩み

 昭和40年、馬路村ではゆずの栽培が盛んになっていきました。昭和50年になると農協では組合員のつくったゆずの搾汁をはじめました。その4年後には農産加工をはじめ、さらにその後、京阪神へゆずのPRに行きました。年間、約150日デパートへ営業してまわりましたが、地元高知県のようにゆずを食する習慣や文化が無かったこともあって、ゆずの果汁だけを詰めた一升瓶は、初めはなかなか売れませんでした。しかし、ゆずを食する文化もPRし、それとともにゆずの加工品「ゆずの村(ポン酢醤油)」も、一生懸命PRしました。すると少しづつですが、買っていただけるようになり、そんなお客様から、「直接購入はできますか?」というようなお問い合わせのお手紙をいただいた事がきっかけで、産地直送販売を模索し、直販を始めました。

 そんな折、昭和62年に馬路村ではゆずがたいへんな豊作でした。農協としては組合員のつくったゆずをこれまで以上に販売するため、新しい商品を開発して消費拡大をはからなくてはなくてはなりませんでした。現在の組合長は当時、くる日もくる日も考えに考えぬいて、村に清らかな水が流れる安田川を見てヒントを得たんだそうです。この安田川の水と香り高い馬路村のゆず……。そこでひらめいてできた商品が、「ごっくん馬路村」でした。
 これが誕生した年には「日本の101村展」で、既に販売をしていた「ゆずの村(ポン酢醤油)」が最優秀賞を受賞し、平成2年には「ごっくん馬路村」は農産部門賞を受賞しました。

 この頃には、村の子ども達を起用した「ごっくん馬路村」のテレビCMも作りました。土佐弁まるだしのCMで、地元高知でも大変なインパクトのあるCMとなりました。

 そして紹介し尽せないほど、いろいろなことがありましたが、皆様に商品に対するご理解をいただき、今日まであっという間に至ってしましました。こうして、おかげさまで「ごっくん馬路村」はできてから二十歳をむかえ、「ゆずの村(ポン酢醤油)」にいたっては23歳になりました。

New製造ライン

 皆さん、「ごっくん馬路村」という商品をご存知ですか。これは、馬路村で収穫されたゆずで出来たハチミツ入りのゆずジュースです。

 馬路村農協のおんちゃん(「おじさん」のこと)が、自分の子供や村の子どもたちに飲んでもらおうと開発したものがこの「ごっくん馬路村」でした。子どもたちは正直だから、美味しくないと飲んでくれないし、逆に親からすると安全でないと飲ます気になれない!という親子の関係から生まれた製品でもあります。

 このジュースは、ゆずの実をまるごと搾ってつくるので果皮にある精油が果汁に移るため、ふたを開けると本物のゆずの香りを楽しむことができます。容器にもこだわりがあって、ガラス瓶を使用しているのですがその飲み口は「ごっくん馬路村」を一気にごっくん!と飲んでいただききたい為、幅広の口にしているんですよ。

 この「ごっくん馬路村」「ゆずの村(ポン酢醤油)」などを製造する工場は、2年程前に「ゆずの森工場」として新設され、生産ラインも自動化されました。

 「ゆずの森工場」は、昔の森林鉄道の駅と貯木場として使用されていた跡地に建てられています。馬路村は、昔は林業で栄えていた村でした。そのため「ゆずの森工場」からは森林鉄道の軌道跡や利用されていたトンネルを臨むことが出来ます。

 そんな馬路村の杉は、現在も国産材として有名で、「ゆずの森工場」はその地元でとれる杉で、床や壁など使える部分のほとんどに利用して建てています。そのため建物に入るなり、杉の香りに包まれてとてもリラックスできます。
 
この工場は製品をつくるためだけではなく、受注窓口であるオペレーター室、デザイン室、配送センターや研究所など、受注から発送、そして製品の開発・検査まで一ヶ所で行う事ができる施設になっており、また、視察や見学に訪れた人がゆっくり見学できるよう工夫された造りになっていますので、施設の中を見て歩くだけでも楽しめます。

馬路村いきいき!魅力がてんこ盛り!

こじゃんとうまいにきまっちゅう!!

 馬路村農協では、馬路村のニュースを書いた「だいたい月刊 ゆずの風新聞」を1~2ヶ月に1回発刊しています。この情報誌は馬路村のことをもっと知ってほしてくて、商品を発送する際には必ず同梱しています。商品を買っていただいた方はぜひ読んでみてください。

 記事は、普段私たちが使う土佐弁を用いて書かれているので、土佐弁の勉強にもなりますよー。身近に土佐弁がわかる人がいなくて、解読につまったら、お気軽にお問い合わせくださいね。

 馬路村は、本当に何も無い小さな村だと住民は言います。まぁ実際に小さな村で、たいした情報ではありませんが、日常の何気ないふっと和ませてくれるような出来事から村のイベントまで様々な話題を記事にして、商品と共にお届けすることで、馬路村の魅力も一緒に買っていただいているつもりです。買っていただいた商品がどんな村でできているのか知っていただくことで、安心をお届けできるもう一つのサービスになっていればいいなぁと思います。

 このように馬路村は、特産品であるゆずだけではなく、それにも増して馬路村の魅力を情報としてもたくさん発信しています。

ゆずブームで終わらせません!

ゆずブームで終わらせません!

 馬路村は、その94%山林がしめいています。残りの4%に生活空間とゆずなどの畑があります。徐々にたくさんの商品が売れるようになってきているのでそれは大変ありがたいのですが、それの原料となるゆずが去年はとくに収穫量が少なくて、とうとう足りなくなったことがありました。店頭から「ごっくん馬路村」が一時消える事態に。

 だから馬路村にもっとゆず畑を増やしたいのですが、ゆずをつくっている畑はほぼ飽和状態でこれ以上ゆずの木を植えることができません。しかし、手をこまねいている場合ではないので、山を切りひらいてゆず畑をつくる努力をしています。

 現在、馬路村のゆずはますます認知度も高まってきて、ゆずブームになっていると感じます。実際、他のゆず産地からも同じような商品が販売されることもあってブームを実感しますが、それに左右されることなく私たちはそのままの馬路村を伝えていきたいと思いっています。

ゆずは捨てるところが無い?!

 馬路村ではゆずの加工品を製造していて、食べられない部分を廃棄していましたが、研究した結果、食品にならない部分でも様々に利用できることがわかり、もったいないので廃棄しないで活かしたいと考えました。

 そこで去年、「ゆずの化粧水」をつくりました。広報担当の私も、「えっ、化粧水!?」と驚きましたが、原料にゆずの種が使用されているのです。ゆずの種には肌に良いとされる成分があることがわかりました。いっけん馬路村のゆずと化粧品はまったくむすびつきませんが、廃棄されていた部分の大いなる利用を考えた末の産物でもあるのです。

 そして、今年の夏には実は新商品「ゆずシャンプー」が販売予定になっています。どのような商品なのかは、販売されてからのお楽しみ!にしておいてください。

私たちのやりたい事はまだまだ沢山ある!

私たちのやりたい事はまだまだ沢山ある!

 一般の方もそうですが、社会科学習のために工場へ見学に来てくれる学生も年々増えてきています。平成18年に馬路村の中学社会科の教科書(教育出版)に馬路村のゆずの取り組みが掲載されたこともあってでしょう。このように馬路村のゆずを知ってもらい、工場見学のために村を訪れてくれる人が増えているということは大変嬉しく思います。また、その商品を買っていただき、よろこんでいただいているという事がなによりもありがたいです。だから、私たちはもっともっとお客様によろこんでいただけるよう、サービスやアフターケアを怠ることなく日々さまざまな事が勉強だとおもって取り組んでいます。商品やゆずについてはもちろんのこと、食育に関することや新商品開発に関する新たなジャンルへの学習など、もっともっと探求して、それを皆様に伝えたいと思っています。

 馬路村はのんびりした村ですが、私たちは走り出したこの馬路村を留めてしまわないよう、のんびりしているヒマはありません!もっともっと馬路村を!馬路村のゆず製品を!知っていただきたいので、ぜひ、ホームページをのぞきにきてください。実はこのホームページも5月には、皆様にできるだけかんたんに、便利にご利用いただけるサイトへとリニューアルする予定です。お楽しみに!

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