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土佐食彩物語

アイディア商品物語 「田舎グルメを全国発信」[(有)いずま海産]

山崎吉恭氏

出間精一郎氏

いずま海産は、高知市からずっと東へ河岸沿いを車でひた走ると、室戸市の灯台で有名な室戸岬のほど近くにあります。 主に室戸海洋深層水(原水)を加塩した漬けこみ液に浸して伝統の天日干しした魚介塩干物を取り扱っております。お天気の良い日には、イカの一日干が建物の2階などに干されていて一目瞭然です。(室戸海洋深層水表示許諾番号12海深43号) 今回お話をうかがったのは、代表者である出間精一郎さんです。

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おいしい海の幸を魚場から直送しています!

いずま海産では、イカ・カマス・金目鯛・たちうお・ふぐなどの開きや丸干しといった干物を多種多様に取り扱っています。
 出間さんは、もともと鮮魚屋さんをしておりましが、現在の場所に引っ越してきて干物を製造するようになりました。そして魚場から作りたてのこの美味しい干物を、店頭販売はもちろん、現在では全国のお客様へ直送をするようになりました。
 干物は、一般的には日常の食卓でよく食べられているとおもいますが、ギフト用としても大変需要があります。いずま海産も、カマスやアジ、スルメイカをセットにした「黒潮セット」や、室戸市沖であがった金目鯛のタタキのセット、年末年始のお客様が集まる時などに重宝する伊勢エビ・トロカツオタタキ・刺身用アオリイカ・金目鯛ブツ切がセットになった「室戸のお客(宴会の事)セット」など、たくさんのパッケージが品揃えされています。そんな商品の中から、今回はおもしろい商品を紹介していただきました。

おいしい海の幸を魚場から直送しています!

こわいけど、うまい!「おもうつぼ」

こわいけど、うまい!「おもうつぼ」

 「おもうつぼ」という商品を紹介します。これは、「うつぼ」を干して唐揚げにした食品なのですが、これが食べてみると「おやつ」にも「おつまみ」にもいける!といううまさでやめられません。ぜひ一度、召し上がってほしい一品です。やみつきになりますよ!
 ところで皆さん、この食材の「うつぼ」をご存知ですか。海の中でウナギみたいににょろにょろと泳ぎ、一見、いや見れば見るほど怖―い顔をしていますが、その味は淡白で豊潤。身質は上質な鶏肉にも似て歯ごたえがありよく締まっています。そんなうつぼを高知では、とくに漁師街では料理して食べる習慣があり、料亭などでは、生でタタキにしていただいたりもします。
うつぼは、漁師や釣り人にも、その餌どころか仕掛けまで台無しにしたりするので嫌われ者です。そして種類も多く、体型や色彩も多様なので、意外なことにその中には観賞魚として愛好家に育てられているものもあるそうです。食性は動物性で特にたこが好物で、そのほかに魚や海老、蟹等の甲殻類など鋭い歯でなんでも食べてしまうそうです。やっぱり怖―い。
 それから、うつぼはその身を守る厚い皮から皮下にゼラチン質をたくわえていて、コラーゲンも豊富で、漁師仲間には滋養強壮の食材としても昔から重宝されていたそうです。
 しかし、うつぼは、大小さまざまな骨が複雑に入込んでいてとにかく骨が多いので、実は食する時に非常に邪魔になるので、うつぼ料理といえば小さくたたいて煮こごりにしたものや、から揚げ、干物等が一般的なのです。
 「おもうつぼ」が商品になるまでには、ちょっとしたきっかけがありました。
 それは、出間さんのところに郵便局の方が訪ねてきて、郵便局の「ふるさと小包み」というネーミングの全国版カタログに掲載したいという申し入れがありました。今でなら「ご当地、お取り寄せブーム」であるのでそれもおもしろいのでしょうが、当時は「干物を掲載しても送料をかけてまで買う人はいないだろう。」という思いがありつつも、カマスの干物を載せてみる事にしたところ、郵便局の方々が大変頑張って営業してくださったのか、なんと2,000個以上の注文があって驚かされました。そして、その成功を祝い「お疲れ会」をすることになり、その席でうつぼの唐揚げが出てきたのです。普段からこの料理は知っていましたが、そんなに美味しいとも思っていませんでした。しかし、この時の板前さんが上手に揚げていたせいか、とても美味しいと思い「みやげ物にしよう!」とおもいついたのがきっかけでした。それで商品化するために調理法も聞きました。うつぼは鋭い歯やたくさんの骨があるので、さばく作業などは結構な手間になります。漁獲された新鮮なものを、一日干しにして乾燥させ、スライスしたものを2度揚げするなど手間をかけているからこそ美味しく「おもうつぼ」になるのです。またパッケージもいろいろと変更させて現在はかわいいイラストで箱になりました。そして、地場産業賞をとることができ、現在では空港のおみやげ物売り場にも陳列されております。珍しさもあるのか、おかげさまで売れ行きは好調で、その名のとおりみやげ物として、たいへん「おもうつぼ」となってきているそうです。なんちゃって。

ほんとうに「めからうろこの金目鯛めし」!

ほんとうに「めからうろこの金目鯛めし」!

 次にご紹介したい商品は「目からうろこの金目鯛めし」です。商品化するにあたりネーミングは「おもうつぼ」にしてもそうですが、出間さんの発想だそうです。面白いですねぇ。
 この商品は金目鯛を使っています。金目鯛はみなさんご存知の通り、とても鮮やかな朱色をしているので海の中ではさぞ目立ちそうなのですが、深海で暮らしているので意外と地味な感じです。金目鯛は真鯛の代わりに祝儀用の魚として使う時もあるらしく、またそれ自体の味も大変よいです。冬になると脂がのって美味しくなります。高たんぱく質で低カロリー!近頃ではとても人気が出て高級魚の扱いになっています
 しかし、残念な事に、調理すると頭やアラとして捨てる部分が他の魚に比べてたくさん出ます。でも捨てるのはもったいない!だって、その頭やアラにも身がいっぱいついて、特にアラの部分には、実はコラーゲンなんかもたくさん含まれているんです。
 そこで、出間さんはせっかく獲れた金目鯛から出るたくさんのアラを炊くと美味しいダシがとれるので、身を煮付けして出来た商品が「目からうろこの金目鯛めし」なんです。よだれが出そうになりますね!まぁ、一度ぜひ食べてみてください。ネーミングだけじゃなく、味も「めからうろこ」ですよ~!

高知には美味しいものがたくさんある!

高知には美味しいものがたくさんある!

 「高知には当店で製造・直販する干物の他にも、美味しいものがたくさんある!」というい出間さんは、これからももっともっとこの高知の美味い物いわゆる「田舎グルメ」を発信できればなぁと思っています。
 ここ室戸の海の幸も皆さんにも知っていただきたいです。南国高知の太陽をいっぱいあびた当店の美味しい干物!ぜひ召し上がってみてください。

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