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土佐食彩物語

職人のこだわり物語 技術とアイディアでお客様のニーズに答えたい[(有)ロマンド]

山本憲幸さん

意欲的に新しい技術をとりいれ、パン・ケーキ・クッキーなどを製造販売している会社です。
今回は(有)ロマンドの店長である山本憲幸さんにお話を伺いました。


ロマンド

 ロマンドは現在、高知市幸町と同じく高知市の一宮と2店舗オープンしています。今回は幸町のお店におじゃましたのですが、お店に入るとパンケーキクッキーなどなどたくさんの品揃えが購買意欲をそそります。
ロマンドは店長のお父さん(現在の社長)が35年ほど前に創業されました。「ロマンド」というネーミングは、山本さんの祖父が「ろうけん饅頭」というお饅頭屋さんをされていたので、社長がその頭文字と饅頭の「マン」をとり、そしてフランスっぽくなるようにと「ド」をつけて「ロマンド」という店名にしたのだそうです。社長はけっこう新しい物好きで、当時はかなりハイカラな名前だったそうです。

新し物好きでさきがけ的な存在

穂の香(ほのか)

室戸の海洋深層水を使用した食パン
「穂の香(ほのか)」

 お店をオープンすると、最初はどこのお店でも、認知してもらう事や来店してもらうことはただでさえ大変なのですが、こちらロマンドでは更に苦労するハプニングがありました。それはオープンするやいなや店頭の表通りが、工事のために半年もの間、前面通行止めとなり、お客様を呼びたくても来ていただくことが出来ないような状況で、商売をするには苦労のスタートになったそうです。
しかし創業された現在の社長は、なにかと新しい物づくりに取り組むことが好きで、当時から先駆け的な存在にありました。いろいろなアイデアを試しては商品化し、ロマンドの特徴を作り出してきました。
例えば、当時まだ珍しかったチーズケーキをつくり販売するようになると、高知では「チーズケーキと言えばロマンド!」と言ってもらえるくらい広く「ロマンド」が認知される要素になりました。他にも、現在では全国的にもすっかり有名になった高知県室戸市の海洋深層水。これまた県内でもこれを使用した商品は多数お目見えしていますが、ロマンドではこのように流行る前から室戸の海洋深層水をパン・ケーキ作りにいち早く取り入れることにしたのも社長のアイデアなのだそうです。室戸の海洋深層水は社長自らが定期的に室戸市まで車を走らせて直接仕入れているそうです。高知の方はよくわかっていると思いますが、高知の中央部から東部の室戸市まで海岸沿いをひた走ると、なかなかの距離で定期的に仕入れに行くのも大変な労力をかけているようです。
そんな社長が海洋深層水を使用してみようと考えて最初に試作したのは食パンでした。思索段階での実験では、普通の水道水を使用した場合と海洋深層水を使用場合、ネタの発酵の段階であきらかに違いが出たそうです。温度や時間など、同じ条件で発酵をさせたのですが、海洋深層水を使用したネタの発酵がとてもよく発酵したそうです。海洋深層水には発酵にかかせないイースト菌が好むミネラルなどの栄養分が豊富だからなのではないかということでした。

こだわりのリアル感

ウェディングケーキ

ウェディングケーキ

 最近ではブライダル用のウェディングケーキの発注が増えているそうです。その注文も様々で、皆様が何かしら二人らしい特徴を出したいという要望を持って依頼に来られる方が多いそうで、ほとんどの場合が特注になります。ある日、コンクール用に出展するケーキを製作しているとき、砂糖細工をオーブンで乾かすという裏技的な技術を発見した折、ちょうど注文のあった立体的なケーキづくりの困難だとおもわれた部分にこれが使えるのではないかとおもい、試したところ完成させることができたのだそうです。それまで、このようなお祝いの席での注文は、気温の変化や移動させることなど悪条件を考えると、強度に不安のあるケーキは、製作できたとしても当日こわれてしまっては大変なので、承ることができませんでしたが、それ以降は随分と幅をひろげて承ることができるようになったそうです。
新郎新婦の思い出だからと「弓道をしている人をあしらってほしい」というものや、車の形でしかも車種の指定までされた注文もあったそうです。弓道をしている人の体勢や弓矢、ナンバープレートまでも忠実に、もちろん立体に仕上げたそうです。このような製作に取り組んでいると、だんだん楽しくなってきて、どうせ作るならより忠実に、よりリアルに作ってしまおう!とついつい熱中してしまうのだそうです。
とくに弓道のウェディングケーキを仕上げたとき、それを見た社長は「コンクールに出展するケーキより出来ばえが良いじゃないか。」と言われたほどだったそうです。
店長は幼いときよりケーキやパン作りを見てきたので、その魅力に魅せられてこのお仕事が好きだということもありますが、もともと凝り性なので、いったん製作し始めるとこのようについつい没頭してしまうのだそうです。天職なんでしょうね。

もう一つの凝り性

もう一つの凝り性

ロマンドホームページ

 店長は、パン・洋菓子の職人である他に、ロマンドの自社ホームページもご自分で制作されたそうです。実際にごらんいただけると一目瞭然ですが、なかなか素人とは思えない出来具合です。そのサイトはパソコン用はもちろんのこと、これから欠かせないモバイル用のサイトまできちんと制作されていてやっぱりなかなかの凝り性だということがうかがえます。
ロマンドホームページには店頭の商品やこれまでの作品の紹介をしており、今ではお忙しい本職の合間にちょこちょこっと更新しているのだそうです。みなさんも是非のぞいてみてください。とても楽しいホームページとなっております。時にはそのサイトの作品を見て、ご注文を下さるお客様もいらっしゃるのだそうです。

毎日の食卓に

毎日の食卓に

 ウェディングケーキの注文が増えつつあるといっても、毎日の食卓に欠かせないという家庭も大変ふえてきています。当店でも食パンは、コンスタントにご購入いただくお客さまが多数いらっしゃいます。なので、なるべくならお店の都合で休業にしたくないので、年末年始以外は、年中無休で営業しております。食の安心安全が叫ばれる昨今、昔と変らず当店の食パンを選択してくださるお客様には大変ありがたいく、そんなお客さまのためにも、ロマンドのおいしい食パンを心をこめて毎日焼いております。

アイデアを出しまくり

世界に一つしかないクリスマスケーキ

世界に一つしかないクリスマスケーキ

 季節にあわせた新作のアイデアは、この味とあの味を合わせてみよう!いうと自分の思いつきで商品化することがほとんどです。しかし、むやみに思いつきだけでつくっているのではなく、ポリシーとして洋菓子に重要なのは「バランス」だと思っているので、ケーキ一つに使用する材料の相性を吟味し、上から下までを食したときの味や食感の強弱など全ての「バランス」というものに気をつかっています。
おもいつきのアイデアというと、ロマンドでは昨年のクリスマス企画で、「世界に1つしかないクリスマスケーキ」というのを販売しました。自分たちでも意外だったのですが、限定30個の予約販売はおかげさまで完売でした。だから、まさか完売するとは思ってなかった。30種類ものケーキのアイデアを捻出したのは、実はそれからだったのです。大変でしたが企画どおり「世界にひとつしかないクリスマスケーキ」を30種類作りました。店長の知人にしてみれば、「お客さまはそれぞれ違う方なので、同じものがいくつかあっても分からんだろうに!」と言われたのだそうですが、やはり企画どおりお客さまの満足する「世界に一つしかないクリスマスケーキ」を作らねば!!という使命感でやり遂げました。もし、ロマンドのそのクリスマスケーキを購入されたお客様の中で、なんかの偶然で同じケーキがあったことが分かればきっとがっかりするでしょうしね。と店長はおっしゃっていました。これもやっぱり、なかなかの凝り性が発揮されているなぁとおもいました。

モットーは、お客さま優先のサービス

 ロマンドのこだわりは、創業した時から、とにかくお客さまを優先するサービスを提供しようと常に心掛けております。お客さまにご来店、ご利用いただくことにとても感謝の心をもって日々仕事に取り組んでいます。そして、ブライダル用のウェディングケーキでもそうですが、できるだけお客様のニーズに対応できるロマンドでありたいし、夢をかなえてあげたいとおもいます。その実現には苦労をすることもありますが、せっかく来店してくださったお客様ですので、よろこんでいただける顔がみたいのです。これからも前進あるのみ頑張っていきます。

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