ホーム > 土佐食彩物語 > 新商品さきがけ物語「お客様のニーズに合わせた商品開発」[ダイイチ・ダルマ食品(株)]

土佐食彩物語

新商品さきがけ物語「お客様のニーズに合わせた商品開発」[ダイイチ・ダルマ食品(株)]

上甫木(かみほき)弘吉さんと取締役専務・上甫木宏之さん 上甫木(かみほき)弘吉さんと取締役専務・上甫木宏之さん

ダイイチ・ダルマ食品(株)は、高知県で創業七十余年(ダイイチ醤油・昭和5年創業)の醤油・味噌を中心とした様々な商品を開発、製造している会社です。
代表取締役・上甫木(かみほき)弘吉さんと取締役専務・上甫木宏之さんにお話を伺いました。

ひょんなことで醤油屋に!?

 昭和5年にダイイチ醤油として創業してから通算して創業七十余年という長い歴史をもつ現在のダイイチ・ダルマ食品(株)。工場は創業以来ずっと、高知県の中央より東部に位置する安芸郡安田町にあります。
 現在の代表取締役 上甫木(かみほき)弘吉さんは、馬路村の出身で以前は醤油造りをしておられませんでした。ダイイチ醤油として、もともと受け継ぐだろうとしていた方が突然に車関係の会社へ転職してしまい、このダイイチ醤油の後継者がいなくなってしまったという事態になった時、そこは上甫木さんの奥様の実家だったということで、ひょんなことから受け継ぐことになったそうです。

イチオシの第一号!

 今回こちらのダイイチ・ダルマ食品(株)よりイチオシでご紹介したいのが、「土佐はちきん地鶏」の焼きガラスープを使用した「鶏柚の酢醤油」「鶏だし醤油」です。
 高知でよく聞く地鶏と言えば、「土佐ジロー」が有名ですが、さて「土佐はちきん地鶏」という名前をお聞きになったことがあるでしょうか(商標登録 第4981420号)。「土佐は、ちきん地鶏」じゃないっすよ~(笑)。
 高知県畜産試験場が民間のニーズ調査の結果を踏まえ、平成14年度から開発に着手し、高知県原産の土佐九斤(とさくきん)の雄を大シャモの雌に掛け合わせた個体(雄)と、白色プリマスロックの雌を交配して新しく作り出した地鶏なのだそうです。そしてこれを、高知県原産の日本鶏がベースとなり交配してあることを強調するため、「土佐」という地名に「はちきん」という土佐の女性を表現する言葉を組み合わせて命名したものだそうです。

土佐はちきん地鶏飼育風景

土佐はちきん地鶏飼育風景

(メス)

(メス)

(オス)

(オス)

 さてこの地鶏の特徴は、肉用鶏の種類では生存率が高いので飼いやすく、産業規模の飼育が80日間でよいから結果的に一般消費者にとっても安価に手に入れることが出来るということだそうです。また、肉質は市販のブロイラーに比べて脂肪が少なく、ほどよい歯ごたえがあり、冷凍し解凍してもドリップ(肉汁漏出)が少ないため、アミノ酸などのうまみ成分が失われにくいという特徴があり、一般消費者を対象とした試食や料理専門家によるメニュー開発など行ってきたそうですが、おいしさや料理素材としての質の高さなどの面でも高い評価を得ているということなので、生産者にとっても生産しやすく、消費者にとってもおいしくて安価!これは願ったりかなったり!最高ですね!
 それでもって今回ダイイチ・ダルマ食品(株)では、せっかく高知で開発された地鶏ですので、それを使用した製品の商品化ができないかなぁと思案し開発されたのがこの製品(「土佐はちきん地鶏」の焼きガラスープを使用した「鶏柚の酢醤油」「鶏だし醤油」)だったのです。
 実はこれ、「土佐はちきん地鶏」を使用した加工製品としては、なんと第1号!そして、正真正銘「土佐はちきん地鶏」を使用している証として、県が認定するマーク(商標登録第4981420号)がありまして、これを付けています。
 でも実はやっかいなことに、第1号!として誇らしいく思える半面、このマークがシールになってて、今のところ製造工程の中で製品一つ一つに手作業で貼っているんですよねー。(笑)

新発想のお醤油

新発想のお醤油

新発想のお醤油

 「土佐醤油」といって、醤油に鰹だしが入った併せ調味料はご存知でしょうか。ご家庭でも使用されたことはあるんじゃないかと思いますが、この焼きガラスープが入った醤油を、試された方は、きっとまだ少ないでしょう。ましてやまだ開発されて間もない「土佐はちきん地鶏」。この食用肉が広く一般消費者の皆様のご家庭で食べられるにはもう少しの時間を要するという事ですし、ここは一つ、地鶏の焼きガラスープを使用している醤油が巷に広がる一足お先に、吟味されてはいかがでしょうか。
 「鶏柚の酢醤油」は、まず香りはガラを焼いていますので、お醤油の香りと調和して香ばしさがプラスされ、しかも柚のさわやかな香りも鼻にぬけていきます。味はしっかりとした柚の酢の効き具合でバランスよく焼きガラスープが混ざり、絶品美味な柚の酢醤油です。 いわゆるポン酢ですが、新しい物好きのかの坂本竜馬が食したら、「これからは焼きがらスープぜよ!」と言いそうなくらい新しいポン酢醤油です。
 お酢の入っていない「鶏だし醤油」は、これまで和食調理に使用していた醤油の代わりに使用すると、これまた新しい味でありながら和食としてマッチするので驚きます!ぜひお試しください。

材料調達で大問題

質問に答えていただいた上甫木宏之氏(左)と上甫木弘吉氏(右)

質問に答えていただいた
上甫木宏之氏(左)と上甫木弘吉氏(右)

 このような新商品の開発や味を決めるなど現在も製造技術者としてほんろうされているのは、専務である上甫木宏之さんです。会社は高知県南国市に所在しますが、上甫木宏之さんは、ほとんどの時間は安田町にある工場で製造や新商品の開発などにあたっているとのことでした。
 社長と二人して頭を抱える事はこうした新商品の開発もさておき、原材料である「柚の酢(柚を絞ったお酢)」が全国で生産量1位というこの地元高知で買い付ける事が難しくなってきているということでした。それは、柚の収穫が落ちるいわゆる裏年ということや生産者の高齢化等もあるのですが、生産者や農協・経済連などが大手メーカーへの取引を決めているようで、地元の中小企業にまわす分量が無くなっている事のようです。 このままではこの先の生産ができないというくらい切実な問題になってきております。

醤油作りの歴史 その土地の特性

 長い間、醤油造りをされてきて社長が少し寂しく思うことがあるそうです。醤油というのはいろいろな地域で長く利用されてきた調味料です。だから、その土地によって原料となる大豆も水も様々な特徴があり、また食する人、調理する人の風習や好み、その地域の特性が反映され独自の風味や味わいができただろうと言えます。 だから、醤油というのはその地域の風習や好みなどに左右されるので、どれが一番おいしいかというと、どれも美味しく決めることができないものなのですよ。
 だから、それぞれの地域にさまざまなお醤油があって当たり前で、また、旅などに行かされた時にその土地の味を味わうことで、文化を知ったり、風情を感じたり、様々な発見にもつながる旅になるとおもいます。 だから、消費者のみなさんには、いつも買うお醤油もいいのですが、時には地元の味やあちらこちらの味を試されてみてはいかがかなぁと思うのだそうです。

土佐のゆずぽん酢 リトルサイズがお好みのようで

土佐のぽん酢

土佐のぽん酢
(左)200ml(右)500ml

  さて、高知では馬路村のポン酢醤油の知名度が大変高いのですが、実はそれが製品化される頃よりダイイチ・ダルマ食品(株)でも「ポン酢」を製造しておりました。
 天然の柚子果汁と本醸造醤油をおいしくミックスした、風味豊かな調味料です。高知県特産の柚子果汁をふんだんに使用していますので、味、香りが非常に新鮮です。醤油味がしっかりしていて、酸味、甘味も程よく、幅広い年齢層の方にご好評いただいております。
 魚介類に最適ですから、タタキのたれ、刺身、焼き魚、酢がき等、四季を通じておいしくお召し上がりいただけます。
 食卓用として500mlサイズが主流としてきたのですが、近年は小さなサイズのご要望が高くなり、現在は二周りくらい小さな200mlサイズも造りました。割高な感じがするのですが、こちらも大変人気があります。きっと核家族が増えてきたからでしょうね。
 でもやっぱりポン酢は、大勢で鍋を囲んで湯気の立つ中、器にドバーっと入れてたっぷり付けて頂きたいですねぇ。慌てるとたまにお酢でむせたりしながら・・・(笑)みんなで囲むと楽しいですよねぇ!
 最近では、醤油は買わずにダシ醤油のみを置いているというご家庭もあるくらい、ダシ醤油のニーズも高まってきているようです。高知の鰹のたたきを食するときはぜひ「たたきのタレ」という醤油をご利用ください。ただの刺身醤油ではだめですよ。また、海洋深層水関連商品が県内外に浸透しつつあり、そういった地元の特性を活かした商品もご好評いただいております。
 このようにダイイチ・ダルマ食品(株)では、ご紹介したポン酢醤油以外にも、醤油、味噌、という伝統産業の枠を越え、お客様に喜んでいただける「こだわりの商品」作りを念頭に、日々新商品開発に取り組んでいますので、ダイイチ・ダルマ食品(株)の醤油も食卓の仲間にしていただけますよう、まずはぜひお試しください。

土佐のゆずぽん酢 リトルサイズがお好みのようで

.

会員企業一覧

ページのトップへ戻る