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土佐食彩物語

伝統のこだわり物語「先代から受け継いだ品質・安全へのこだわり」[(有)中納言]

安藤裕治さん

(有)中納言とは、創業して百十余年、お祝にかかすことのできない、祝餅、赤飯、祝饅頭などを昔ながらの製法で製造販売している老舗です。(有)中納言の代表取締役である安藤裕治さんにお話を聞きました。
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食文化の崩壊

 ここ最近、私達が若いころには、なかなか問題になるようなことがなかった「添加物」「原材料の偽造」など食品に関する報道が多くなりました。このような報道をみた一般消費者の「食品に対する不信感」は避けられないでしょう。また、バランスのよい日本型食生活の崩壊、朝食の欠食など食事の自己管理能力低下が問題になり「食育」も叫ばれています。昔は、ありえなかったことがここ数年で急激に浮き彫りになったように思います。

 私たち、中納言では、「添加物は一切使用しない」「原材料は自らの目で確認する」を代々受け継ぎ商品づくりを行っています。この二つの事柄を、創業から現在まで、自然の流れで受け継いで、昔ながらの作り方を当たり前にしている事なので、ほとんど意識したことなどありませんでした。だから、それを強調し過ぎるのも私としてはおかしい気がするのですが、食の信頼に関する報道があまりにも多くなってきたので品質へのこだわりをアピールしたいと思います。

代々受け継がれた品質へのこだわり

こだわりの赤飯

こだわりの赤飯

 原材料は中納言代々受け継がれています。
例えば、赤飯に関していいますと─
 小豆ではなく、大納言[北海道産]を使用:特徴は、皮の風味にあり外皮自体の味が濃厚で独特の味があります。小豆に比べて煮崩れしにくく、炊き上げると香りが非常に良いです。
 餅米は、ヒデコモチ[高知県南国産]を使用:8月に収穫できる餅米で、コシとねばりが強く赤飯に適しています。

 過去にこんなことがありました。1993年だったでしょうか、記録的な冷夏によりお米の収穫が需要を下回り、餅米が非常に品薄になりました。私たちが使用しているヒデコモチも同様です。数が少なくなると餅米の価格が上昇してしまいます。となると商品の価格を上げるか、もしくは当時輸入されていた外米を使用するかになります。他の店では餅米が手に入らなかったり、コスト面で外米を使っているところが多かったですね。外米を使うと味も食感もまったく異なったものになるでしょう。
 中納言では、買ってもらうお客さまに、こだわり続けた、いつまでも変わらない味を提供していく信念がありました。
 それを曲げることは、許されません。

代々受け継がれた品質へのこだわり

先代にきつく言われていたことは─
「絶対に質を落としたらいかん。」
「質を落としたら終わりや。」
「どんなに困っても素材はかえたらいかん!」

品質に関しては厳しくたたき込まれました。

もちろん、外米は使用しませんでした。
数の少ない餅米に関しては、先代からの納入業者の方が必死に探してくださいました。(本当に感謝しております。)
商品の価格に関しても、お客さまの負担にならないよう、できる限り通常の価格で販売しました。
米不足は、一時的なものと言うことはわかっていましたので、会社的には赤字になりましたがお客さまには喜んでいただけたと思います。

先代への想い

先代への想い

 先代の教えを守らなければならない、そして良い商品を作りたいし売り上げも延ばしていかなければならない。
当時の私では、利益を無視した素材への追求が過剰すぎたのではと感じたこともありましたが、今思うと、先代の言うことは何一つ間違っていませんでした。
「せられんことは、したらいかん。」
質に対する「やぶってはいけない掟」を守ること、それが会社の姿勢につながるのです。
がんばってこだわったから今の中納言がある。
今では、それを教えてくれた先代にはこころから感謝しています。

 創業して百十余年近く経とうとしていますが、だからといってただ歴史が古ければいいと言うわけではないのです。
いかに、代々こだわりの信念を受け継ぎ続いているか。ここが重要だと思います。
新らしい商品を開発しても基本は全く変わりません。
人様の口に入るものなので、私達は本当に「衛生的」「材料的」にも気をつけなければならない。
「お客さまに安心して食していただくこと」それが中納言の重大な指命だと感じています。

中納言大橋通り本店がリニューアルしました。

中納言大橋通り本店がリニューアルしました。

年中無休でお返し物や引き出物などのご予約を承わっております。
また、喫茶コーナーも設けました。みなさまのお越しをお待ちいたしております。

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